人生の一番長い年

ジャネーの法則というものがある。端的に言うと、時間の流れは加齢とともに早くなる、つまり一年の長さは年を取るごとに短く感じるようになるという考え方である。本当だろうか?諸説あるが、少なくとも私はこの考え方は嘘だと思う。27歳で迎えた2023年は、…

正常は唯一認められる異常

かつて、正常なのは世界の方か自身の方かと考えていた。異常なのは世界の方か自身の方かと考えていた。 朝になるとすし詰めの電車に乗って会社に向かい、上の方針に従ってよく分からない資料を作成する。俯瞰的なビジネスマンはそれを「よく分からない資料」…

名前を与える

存在が先だったのだろうか。名前が与えられたのが先だったのだろうか。 _________________________ 高校生の頃、明らかにADHDの友人がいた。高校生だ、そんな精神疾患のこと誰も気にしていないし、その頃は周りもそいつ自身もそん…

この小さな錠剤に

いつか、どこかのタイミングで行かねばならないと感じ続けていた心療内科、メンタルクリニックに遂に行ってきた。結果は中等度のうつ病とのことだった。お医者様曰く「この手の分野は科学ではあるものの、ある種で文学的な要素が含まれる。あなたの場合、症…

抑圧の中に生まれて

俺たちは欲しくもないモノを買って、好きでもない連中に気に入られようとしている -『ファイトクラブ』タイラー・ダーデン ......................................................................................... 父と母の期待を背負って俺たちは産み…

傷つかないと生きていけない

生涯スポーツを始めたいと思って、最近ゴルフを始めた。私は中高とハンドボールをプレイしていたのだが、どう考えても60歳になってハンドボールはできない。だから、ゴルフかテニスをしようと思って、ゴルフを始めた。 自転車でゴルフ練習場に向かう際中、自…

朝に道を聞かば

子曰く、朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり 論語の一節である。朝にこの世の理を知ることができたのなら、その日の夕方に死んでしまっても構わないという意味で、真理やそれを知ることの大切さを強調した教訓である。 そんなことなら真理など探究しない方…

待ち構えている

とある映画評論家の話である。端的かつ鋭い批評は彼を高名な映画評論家たらしめるのに十分であった。そんな彼は今日もパリのさびれた映画館で一日を過ごす。我々の目には大々的に宣伝された映画しか目に入らないだけで、世界には私的に制作されたものも含め…

4 am

寝れねえまま朝の4時を迎える。不眠症とやらだろうかとも考えたが、たぶん疲れてないから寝れないってだけのことなんだろう。さもなければニートをやってて何のストレスもない俺が不眠症になる理由が見つからない。 諸兄諸姉らにおいては朝の4時に起きること…

対世界衒学的

衒学 (げんがく) 学を衒(てら)うこと。ある事項/事象に関して知識があることを、必要以上に見せびらかすこと又はその物言い。特に内容のない事項について、さも重要であるかのように見せ、さらに発言者自身が重要性を有するように見せる技法の一つ。一…

目覚ましのならない火曜日

4/13(火) 今日は目覚ましが鳴らない。そういう手はずになっている。私はそれを承知していて、たっぷり9時間寝て起きた。朝の9時、もう会社には間に合わない。 明日も明後日も、来週以降も、一か月後も、きっと目覚ましはならない。だから会社には間に合わ…

苦難、或いは精神疼痛の特効薬

先日、登山に行った。片道約3時間かけて山に行き、2時間で登山をして3時間かけてまた帰ってくる。 何という贅沢。何という余分。私は開発経済学について学んでいたから、時折、自分の行動や所属する組織での振舞い、自分の国の状況等と開発途上国のそれを比…

所在なき今日と明日の間で

半裸で鏡の前に立つ。よく鍛えられ引き締まった肉体は、それでいて機能美を兼ね備えている。決して見せかけではない、本物の努力の証がそこに映っていたが、その肉体に乗っかった顔面は、どこか自信なさげにも見えた。 __________________…

何処へでもお行きなさい

金魚にプールは広すぎる。鯨に湖では狭すぎる。私には、レーンで区切られたプールしか泳げない。 ....................................................................... 高校から大学へ上がった瞬間、酷く困惑した覚えがある。何をするのが正解なのかが…

ずっとそんな気持ちかもしれない

私は、「どんな人間にも等しい機会が与えられる世界を実現したい」と夢見ていた。 ............................................................................................................ 2020年6月6日(土) 午前8時半、遅めの起床だが朝食の内容…

【その無邪気さに耐えられない】 2019/10/26 Sat.

無邪気に笑う人 無邪気に怒る人 無邪気に奪うもの 無邪気さ故に奪われるもの 無邪気に回る歯車 無邪気に続く社会 無邪気に流れる時間 罪なく踊る月と地球 意味なく爆発する太陽 やがて来る宇宙の終わりに、なぜ私達は真剣でいなければならないのだろう __…

【クリアしたんだと思う】 2020/04/17 Fri.

クリアしたんだと思う。 何を? 人生を。 .............................................................. 働き始めて1年が経った。「1年で何が分かるのだ」と叱責されるのを覚悟で言うが、弊社のことは大体わかった。だから、自分の人生がどうなっていく…

【ノーバート・ウィーナーとマルサスの罠】 2020/03/31 Tue.

サイバネティクスの父であり偉大なる数学者、ノーバート・ウィーナーは著書『人間機械論』の中で「人間の科学技術の発展は、宇宙規模のエントロピー増大の局所的な遅延にすぎない」と述べた。ブラックコーヒーと、そこに注がれたミルクがやがて境界を失うよ…